シンガポールでは、秘書、会計、ビザ申請などのサービスは、個々のニーズや予算に応じて異なるサービスプロバイダーを選択することが一般的です。そのため、秘書会社がクライアントの各種申告状況を把握していない場合があり、コミュニケーションが遅れると、秘書会社はクライアントが既に申告を完了したと思い込み、申告期限を逃してしまう可能性があります。

「年次申告」に関する事項は、言語環境の違いにより、オンラインでは様々な呼び方がありますが、実際には同じことを指しています。例えば、シンガポール企業の年次審査、年次報告、年次検査、税務申告などです。

次に、シンガポールの中小企業が守るべきコンプライアンス申告事項についてご紹介します。

ACRA(会計企業規制庁)への申告

財務諸表(Financial Statements, FS)

• 財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書が含まれます。
• 中小企業の財務諸表は監査を必要としません。
• 財務諸表は会計サービスに属します。秘書会社が会計サービスを提供していない場合、または価格やその他の理由で秘書会社を選択したくない場合は、他のサービスプロバイダーを選択できます。

年次株主総会(Annual General Meeting, AGM)

• 年に1回開催(会計年度終了後6ヶ月以内にAGMを開催)し、財務諸表の確認、会社業務の協議、取締役の選出などを行います。
• 最初のAGMは設立後18ヶ月以内に開催する必要があり、その後は毎年開催し、2回のAGM間隔は15ヶ月を超えず、会計年度終了後6ヶ月以内に開催する必要があります。

年次報告書(Annual Return, AR)

• 年に1回(AGM開催後7ヶ月以内に申告)、会社の基本情報と年次財務状況を報告します。
• シンガポール企業の「会計年度日」は必ずしも暦年の最終日(12月31日)ではありません。例えば、私の会社は7月2日に設立され、6月30日を会計年度の締め日として選択したため、私の会計年度は7月1日から6月30日までで、暦年とは異なります。

IRAS(税務局)への申告

法人所得税(Income Tax - Form C-S/C)

• 年に1回申告し、中小企業の財務諸表は監査を必要としません。
• 財務諸表は会計年度の範囲であり、暦年ではありません。
• Form C-Sは、年間収入が500万シンガポールドルを超えず、課税所得のみを得ており、詳細な財務諸表の提出が不要な企業に適用されます。
• 電子申告の期限は毎年11月30日(前会計年度分)です。

物品・サービス税(GST F5)

• GSTに自主的に登録した企業、または年間課税収入が100万シンガポールドルを超える企業は申告が必要です。
• 四半期ごとに申告し、各四半期終了後1ヶ月以内に提出します。

従業員所得の報告(Auto-Inclusion Scheme, AIS)

• 従業員数が5人以上の企業、またはAISに自主的に参加している企業は申告が必要です。その他の企業は申告不要です。
• 年に1回申告し、毎年3月1日までに完了する必要があります。

源泉徴収税申告(Withholding Tax, WHT)

• 企業が非シンガポール居住者に支払いを行う場合(コンサルティング費用、管理費、ロイヤリティ、利息など)、支払日の翌月15日までに源泉徴収税を申告し納付する必要があります。

その他の申告事項

技能開発税(Skills Development Levy, SDL)

• 現地従業員(市民、永住者、外国人)を雇用する場合、フルタイム、パートタイム、臨時雇用を含めて納付が必要です。
• 税率は従業員給与の0.25%で、最低納付額は従業員1人当たり月2シンガポールドル、最高は月11.25シンガポールドルです。
• 毎月または不定期に自由に選択でき、GoBusinessで個別に納付するか、CPF BoardでCPF拠出金と一緒に申告納付できます。

中央積立基金(CPF Contributions)

• シンガポール市民または永住者を雇用する企業は、毎月CPF(中央積立基金)の拠出が必要です。
• 毎月14日までに申告納付を完了する必要があります。

外国人労働者税(Foreign Worker Levy, FWL)

• 外国人従業員(SPまたはWPビザ保持者、EPビザは除く)を雇用する場合、毎月外国人労働者税を納付する必要があります。
• 毎月14日までにMOM(人材開発省)を通じて納付します。

サービス配分

ACRAの全ての申告事項は秘書サービスの責任範囲であり、追加のサービスプロバイダーや費用は不要です。

従業員所得の報告、技能開発税、CPF、外国人労働者税は、管理サービス(Administrative)の範囲に属します。通常、企業主自身が処理するか、秘書会社に外注することもできます。市場相場は人数に応じて課金され、1人当たり年間100〜200シンガポールドル程度です。

法人所得税、GST、源泉徴収税の申告は、会計サービス(Accounting & Tax)の範囲に属し、記帳税務申告サービスとも呼ばれます。市場価格の差は大きく、通常は取引件数に基づいて見積もられ、一般的な見積もりは年間2,000〜10,000シンガポールドルです。しかし、Bookfo.comのソフトウェアと人的サービスの組み合わせにより、コストを2〜3倍節約できます。