顧客コミュニティ

顧客コミュニティでの議論は、ユーザーが製品のどこを気に入っているか、または気に入らない点、さらにはどのように利用しているかを示してくれます。また、技術的な問題についても学ぶことができるかもしれません。例えば、複数のユーザーがiOSモバイルアプリの不具合について話している場合、すぐに問題を解決し、ユーザーに感謝の意を伝えることができるでしょう。

「信頼」は、マーケティングや営業資料だけではほぼ築くことができない感情です。しかし、活発な顧客コミュニティが製品に関する洞察を共有することで、ブランドに対する信頼が生まれます。なぜなら、顧客は他の顧客の体験談を信頼し、その信頼が最終的にブランドにも波及するからです。

フォーラムの新規ユーザーは、製品やその機能に関する肯定的なコメントだけでなく、否定的なコメントも検索することができます。否定的なコメントをフォーラムに残しておくことは、透明性を重視し、建設的な批判を恐れていないことの証となります。

オンラインコミュニティは、顧客アドボカシーを育てるための絶好の場所です。製品に対して特に熱心なユーザーに注目し、「スーパーユーザー」として何らかの形で認知することを検討しましょう。例えば、ユーザーが提供したフィードバックの量に応じて星の評価を付けたり、一定数のコメントを投稿した後に名前の下に「スーパーユーザー」の称号を追加したりすることが考えられます。

B2Bの顧客コミュニティでは、トップユーザーにブログ記事を書いてもらったり、自社の問題を解決するために製品をどのように活用したかを紹介する動画を撮影してもらったりすることもできます。顧客の第一人者による体験談は、ブランドへの信頼を深めるきっかけとなるでしょう。

SaaS企業が顧客を失う一般的な理由には、機能の不足や製品への低いエンゲージメントが挙げられます。顧客コミュニティでは、ユーザーがこれらの問題について話し合い、互いに問題を解決することができます。また、新機能の提案があれば、積極的にフィードバックを求めることも可能です。顧客同士やカスタマーサクセスチームとのリアルタイムの交流は、顧客のエンゲージメントを高め、結果として顧客維持率の向上に寄与します。​

顧客がブランドを好んでいても、必ずしも問題が発生したときに直接連絡してくるわけではありません。実際、69%の顧客は可能であれば自分自身で問題を解決したいと考えています。コミュニティフォーラムは、顧客が質問を投稿したり、情報を探したり、複数の人から意見を集めたりするのに役立ちます。これにより、顧客からのサポート問い合わせが減少します。

複数の製品や異なる価格帯のプランを提供している場合、顧客コミュニティ内でのやり取りが、他の製品や上位プランの購入を促すことがあります。例えば、上位プランのSaaSサブスクリプションが下位プランにはない分析機能を提供している場合、上位プランのユーザーがその分析機能の素晴らしさを熱心に語っていると、下位プランのユーザーがアップグレードを検討するかもしれません。

新製品や新機能を開発している際には、コミュニティに提示して、どれが一番気に入ったか投票を求めることができます。これにより、顧客が自分たちの意見が大切にされていると感じると同時に、新しい製品や機能のリリースへの関心を高めることができます。

顧客コミュニティ内で生成されるコンテンツは検索エンジンにインデックスされ、ブランドのオンラインでの可視性が大幅に向上します。議論やユーザー生成コンテンツはロングテール効果を生み出し、時間とともにオーガニックトラフィックを引き寄せます。これにより、ウェブサイトの検索エンジンランキングが向上するだけでなく、製品に関連するソリューションを求めている新規顧客の獲得にもつながります。